「BONDING」— 外国人と日本人が楽しく暮らせるよう、考えるきっかけに
原田 公樹
- 2023/05/10
Bonding
21年間の英国生活を終えて、日本へ帰国したのは、2019年12月のことです。つまり21年ぶりに「外国人」から「日本人」へ戻ったわけです。首都圏だけでなく、地方都市でも、飲食店やコンビニエンスストアで働く外国人が増え、「ずいぶん国際化したなぁ」、と感じました。
ところが、外国人のなかには、窮屈そうに暮らしている人が結構いることに気づきました。「語学の壁」だけが原因ではありません。日本は政府を挙げて「外国人との共生社会の実現」を掲げていますが、私自身が外国人だった英国と比べると、あらゆる面が未成熟でした。外国人向けの社会のシステムやサポートはもちろん、受け入れる日本人の感覚や知識も、不十分だと感じました。
少子高齢化が進むなか、日本がいまの社会や経済の仕組みを維持するには、海外からの働き手は必要です。外国人も日本人も、ともに仲良く楽しく、豊かに暮らしていける社会構造や環境、雰囲気がなければ、さまざまな問題が起こるでしょう。とくに心配なのは、米国ほか世界各国で起こっている人種間の「分断」です。分断は、対立や格差、確執を生みます。
なぜ「分断」が起こるか。それは「未知」から生まれます。知らないから不安を抱き、拒絶反応を起こします。お互いの文化や言葉を理解し、歩み寄ることで「分断」は回避できる、と考えています。
私は英国や日本で、スポーツライターとして活動してきました。得意なことは「聞いて伝えること」です。日本に住む外国人が何を考え、日本人はどう感じているか。さまざまなバックグラウンドを持つ人たちの生の声を聞き、それを伝えるために「BONDING(ボンディング)」という紙とデジタルのオウンドメディアを立ち上げました。「BONDING」とは、「絆」とか「つながり」、「結合」という意味です。外国人も日本人も垣根を超えて楽しく暮らしていくために、どうすればいいか。一緒に考えていきたいです。
4月末に発刊する「BONDING」は、日本で起こっている、外国人に関連した出来事や人物などを記事、コラム、写真などで伝える、A4サイズの全8ページのフリーミニマガジンです。大手メディアが報じない、独自の話題と視点で、伝えていくつもりです。今回は小規模事業者持続化補助金を使った単発のプロジェクトですが、もし可能であれば、将来は定期的に発行していきたいと考えています。
さらのこのミニマガジンに掲載できなかった話題は、5月上旬にローンチするデジタルメディア「BONDING MEDIA」に記事、コラム、写真に加え、動画も掲載していく予定です。
BONDINGとは、「絆」、「つながる」、「接着剤」という意味です。この2つのメディアを通じて、日本人も外国人もつながり、一緒に様々なことを話し合い、考えるきっかけになれば、と願っています。そうすることで「絆」が生まれ、もっと「つながり」が広がっていくのではないか、と考えています。