学びの機会を失ったミャンマー人学生の支援活動で伝えたい2つのこと
イーモン・モモ
- 2023/05/10
Bonding
コロナ禍の終息後、ミャンマーの各学校は再開しましたが、上手く機能していません。2021年2月のクーデター後、国軍統治下になった学校へ子どもを通わせたくない、という親が大勢います。学校に通わせると近所で仲間外れにされる、という同調圧力もあるようです。十分な教育を受けないまま、成長する子どもが増え続けています。復旧の見通しは立っておらず、ミャンマーの未来を考えると、とても深刻な事態です。
私が初めて日本に来たのは、2007年7月です。ミャンマーの大学を卒業したあと、静岡市の日本語学校へ留学生としてです。いったんミャンマーへ帰国しましたが、再び来日して小売・卸売業の会社へ就職しました。現在は独立し、昨年創業したボンディングジャパンで、ミャンマー人を中心にした外国人支援を行っています。オンラインで相談にのり、一緒に役所や病院へ行ったり、電話をかけたりするのが、主な業務です。
時代が違えば、私も学業を途中で諦め、日本へ来る機会もなかったかもしれません。感謝と恩返しをしたい、という思いで、外国人支援の活動を行っています。本来なら、小中高生への支援を行いたいのですが、日本からは、なかなか難しいのが現状です。
私は出来ることから始めようと、ミャンマーの大学を休学、中退したけど、日本で学業を続けたい、という学生たちの留学支援に力を入れています。オンラインで相談に乗り、日本語を教えながら、日本の学校の情報を伝え、書類作成などを支援しています。
外国人の支援をするとき、私は同時にキャリアアップの重要性も伝えるようにしています。具体的には「明日は今日よりちょっとだけ日本語が上手くなろう」と「5年、10年後にどうしていたいか考えよう」の2つ。これは10年を超えた、日本での生活から学んだ、私自身の教訓でもあります。
みんなでBondingして(つながって)、豊かで楽しい人生を過ごしていきたいと思っています。これからもボンディングジャパンの活動を応援して下さい。
4月末に発刊する「BONDING」は、日本で起こっている、外国人に関連した出来事や人物などを記事、コラム、写真などで伝える、A4サイズの全8ページのフリーミニマガジンです。大手メディアが報じない、独自の話題と視点で、伝えていくつもりです。今回は小規模事業者持続化補助金を使った単発のプロジェクトですが、もし可能であれば、将来は定期的に発行していきたいと考えています。
さらのこのミニマガジンに掲載できなかった話題は、5月上旬にローンチするデジタルメディア「BONDING MEDIA」に記事、コラム、写真に加え、動画も掲載していく予定です。
BONDINGとは、「絆」、「つながる」、「接着剤」という意味です。この2つのメディアを通じて、日本人も外国人もつながり、一緒に様々なことを話し合い、考えるきっかけになれば、と願っています。そうすることで「絆」が生まれ、もっと「つながり」が広がっていくのではないか、と考えています。